いろんな人間が集まるからこそオーケストラは楽しく、その情熱は止められない。
全編に流れる名曲の数々…特に『魔笛』を演奏するシーンでは、
音楽の扉は誰にでも開かれている!と希望がわいてくる。
私自身小さな団体を主宰する女性音楽家として、周囲の人の心を動かし、力強く道を切り拓いていく彼女から学ぶものは大きい。
音楽に携わる人に限らず、挑戦したい人、夢がある人皆に勇気を与えてくれる作品である。
音楽との出会い。友人との出会い。巨匠との出会い。全てのひとに訪れるかもしれない出会いを自身の情熱で運命の出会いにしていく主人公・ザイアの力強さを感じられる映画です。
夢を抱き続けられる人は強い。
歩き始めた長い道で出会う挫折や、世の中の不条理。
そんなときに寄り添ってくれる人たちの存在は、心に深みを与え幾重にも逞しくしてくれます。
音楽を通して、人と思いを重ねることの喜び。
一人で歩いていては決して出会うことのできない景色。
オーケストラで演奏することを仕事にできて良かった!
そんな気持ちにさせてくれた映画です。
音楽を介して心が通い合っていく。その情熱で蟠りが溶けていく。
そして身分や差別、性別の壁も乗り越えていく。
これこそが音楽の持つ力!
同じヴィオラ奏者として、オーケストラのプレイヤーとして、また女流音楽家として共感しつつ、彼女の底知れぬエネルギーとバイタリティに感服させられました。
「大好き」を貫くために、家族や先生、そして仲間たちに見守られながら、あらゆる努力をし続けるジウアニさんの輝きが眩しい。彼女が創設したオーケストラ“Divertiment”の演奏会、いつか聴きに行きたい。
チェリビダッケ師の指導における金言の数々が心に刺さった。
オーケストラ奏者とのコミュニケーション、政治家との折衝など、演奏の前段階の場面も「あるある」と頷いたところが多く、指揮者志望者にはぜひ観て欲しい作品。
若い指揮者が様々な困難に音楽と向き合いながら立ち向かう姿がとても頼もしく、爽快でした。マエストロ チェリビダッケのお言葉が毎回刺さり、一音楽家として初心を思い出すことも出来る素敵な映画です!
たとえ「女性は信念がないから指揮者に向いていない」と言われても、音楽に取り憑かれるとやめることができないのです。唯一無二の指揮者として輝ける場所を探し続けたザイアさんは音楽家の希望の星です!